中国は武力、経済力によって東南アジアの国々を支配しようとしていますが、米国やオーストラリアに対し、その国の国民を中国スパイに仕立て上げ、情報を入手しようと活動しています。


■ 記事の概要

海外で活発化する中国「スパイ」活動


中国の「スパイ」活動に関する報道が最近、海外で相次いでいる。米国では、米連邦捜査局（ＦＢＩ）が４月中旬、上海留学中に中国の情報機関に買収された学生の事例をHP上で映像として紹介し、「外国情報機関の脅威に気をつけて」と海外で学ぶ米国人学生らに注意を促した。

約28分の映像は、米国の国防に関する情報を中国情報機関に提供しようとしたとして2011年に有罪判決を受け、現在も服役している元留学生の米国人男性の実話がベース。元留学生が、中国の情報機関からどのようなアプローチを受け、「スパイ」に仕立て上げられていったかを描いたものだ。

ＦＢＩはＨＰ上で、海外に出ようとする米国の学生に対し、出発前にこの映像を見てほしいと呼びかけた上で、海外留学時に「スパイ」にされてしまわないよう次のような注意点を挙げた。

• お金の提供の申し出やうますぎる話－特にビザ発給や居留許可といった業務に関わっている人物からの－を疑うこと
• ソーシャルメディアなどでの個人情報の公開を最小限にすること
• 政府との不審な関係がある人物や犯罪に関係していると疑われる人物との接触を極力避けること

また、オーストラリアでは、中国によるサイバースパイ事案が報じられた。「中国の情報機関は２０１１年、オーストラリア連邦議会のコンピューターネットワークに侵入し、１年間にわたって文書やメールを盗み見ていた可能性がある」

下院議員や議会職員のメールが一カ月以上にわたって中国によって見られていた疑惑を報じていたが、実態はより深刻だったようだ。メール以外にも議会のコンピューターに保存されている書類やデータベースにもアクセスされていたという。

「誰がどの人物と、どの程度の頻度で接触しているかを見ることで、中国はオーストラリア国内政治の詳細な相関図を描くことができる。そこからは、現在と今後の指導者らの私的な人間関係も明らかになってしまう」


■ 中国の情報戦

近年、中国が武力、経済力によってフィリピンを始めとする東南アジアの国々と領土紛争を行っているという報道は頻繁に流れてきます。それだけではなく、米国人留学生に金銭等の見返りをちらつかせることで中国スパイに仕立て上げ、米国の国防その他の重要な情報を入手しているのです。

また、ハニートラップにより情報を入手するのは、いまでも行われ続けているようです。例えば、2008年の北京オリンピック開催中に、元ロンドン副市長のイアン・クレメント氏 (Ian Clement) が北京でハニートラップを仕掛けられ、滞在先のホテルで、書類が部屋中に散らばり、重要な情報が入っている彼のブラック・ベリー (携帯端末) から、ファイルがダウンロードされた。「私がジョージ・クルーニーじゃないことは分かっている。だから、魅力的な女性がにこやかに近づいてくるってことは、普通じゃないと分かるべきだった。」


■ うますぎる話は要注意

日本でも詐欺事件が横行していますが、お金の提供の申し出やうますぎる話は疑うこと。見知らぬ他人がにこやかに近づいてくるときには、ほぼ必ず相手には良からぬ企みがあります。自分の身を守るためにも、うまい話にはうかつに載らない、これが大事です。

みなさんは、いかがお考えでしょうか？